童夢へ
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し■っち■うポストを見に行っていたものだ︒ 本が着いたら︑それこそ端から端までボロボロになるまで見た︒英語はまるで解らなかったから決して読んだとはいえない︒ K子ちゃんに会いたいからしぶしぶ学校は行っていたが︑幽体離脱状態で頭の中はレーシングカーのことばかり︒しかし︑当時はまだまだ自家用車を所有すること自体が夢という時代だから︑通常︑この年頃で自動車に夢中といっても︑どの車が欲しいとかカッコいいとかいう話題が中心で︑レースに出たいとかレーシングカーを作りたいなどという戯■■■言■は誰の耳にも届かなかったし妄想に等しい夢物語であった︒まあ︑学校では超浮いた存在といったところだった︒ しかも私は︑16歳になっても軽四を買えるような状況ではなかった︒まだまだ車は高嶺の花の時代だったし︑バイクの時の遺恨も払■■■■拭■されていたわけではないので︑母にねだってどうなるものでないことはよく解っていたが︑とにかく車を運転したくってしようがないから︑父が出張中などに父のコンテッサを持ち出して乗ったり︑その他の時間は鮒子田のR360で走82

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