童夢へ
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長の﹁解らないことがあったら何でも聞いてね︒一緒に努力しようね﹂という言葉もうざったらしかったが︑小学生時代に引き続き︑何も明確な目標や目的やポリシーがあったり人生設計に基づいての勉強放棄というわけではなかったし︑ただただ︑好きなことに没頭するあまりの落ちこぼれ状態なので︑自分を少しでも正当化できる要素がなにも見つからない︒ごめんなさいごめんなさい︑でもこれしかできないんです︑という状態で本当に毎日がどっぷりグレーという暗黒時代だった︒ もらった悲惨な通知簿を家に持って帰るのが嫌で嫌で︑自転車での帰途である京都御所内の橋の上にたたずみ︑通知簿を眺めながら途方に暮れている私を見かけた家庭教師の学生が︑﹁みのる君の様子がおかしいです﹂とあわてて母に連絡したため︑自殺でもされるんじゃないかと心配した母は︑その日は一切︑通知簿の話題には触れなかったので助かったが︑助かったのはその日だけで︑翌朝からはいつもより激しい︑﹁今︑勉強しておかなくては将来のためにならない﹂攻撃が始まった︒ だから︑試験が近づくと自分なりに試験勉強をしようと努力するのだが︑試験勉強のために︑75劣等中学生

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