たり︵私︶︑一つ間違えば死んでいてもおかしくない出来事は数え上げたらきりがないほどあった︒ だから息子が中学生になった頃に心配した家内が︑﹁息子がバイクに乗りたいって言ったらどうするの?﹂と聞いた時には︑即座に﹁絶対に乗せない!﹂と断言したものだ︒ 幸い息子は︑全く興味を示さずに助かっているが︒ とにかく︑その頃は朝から晩までバイク漬けで︑走っている時間以外はバイクの本を読むこととバイクや自動車の絵を描くことしか頭になかったし︑適当に時間を振り分けて趣味と勉学を両立させるなんて器用なことは全く考えられないほど熱病に浮かされているような状態だったから︑授業中もほとんど勉強はしていなかった︒ 当然︑成績は最低レベルに落ち込んでいて︑し■っち■う私とブービーメーカーのM君は教室の前に立たされ︑クラスメイトの前で担任から︑﹁君たちはまた最下位だ︒こう言われるのが恥ずかしいと思ったらもっと努力しなさい﹂というようなことをいわれていた︒M君は私を仲間と思っていたようだが私はち■っと違うと思っていたし︑そのあと必ずやってくる級74
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