童夢へ
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 すべてをなげうって作り上げた私の宝物をそう簡単に捨てられるわけもなく︑母も私が言うことを聞くはずがないのは解っていたので︑出入りの大工に相談したところ︑家をジ■ッキで持ち上げてつっかい棒を入れまし■うということになり︑父の書斎の庭に向けたガラス戸のど真ん中に無粋な鉄柱が立つことになってしまった︒ 父は︑しばらくは怒り狂っていたようだが︑もともと︑あまり顔を合わすこともなかったので︑いつのまにか沈静化しスピーカーは助かった︒63中学時代

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