もともとのスピーカーの音も出なかった︒エッジもフェルトを起毛させて柔らかくしたものを使ったし︑なんで失敗したのかいまだに解らない︒ そうこうしているうちに︑何らかの事情でパイオニアのスピーカーが入手できたので︑裏庭の倉庫の中にある桜の一枚板でできた箱を引っ張り出して︑エンクロージ■ーを作ることにした︒ この︑厚さが50 mmもあろうかと思われる棺桶大の箱は︑聞くところによると軍のパラシュートの検査台のお下がりらしく︑考えられないほど頑丈に作られていて友達を何人呼んできてもびくとも動かない︒しか61中学時代スピーカーボックス超重量級の板材を運ぶだけでも苦労した力作の低音用エンクロージャー。バイクに開眼する14歳以前の作品である。なぜか、当時の私のオーディオの横には飲めもしないのにカクテル用のお酒が並べられていた。
元のページ ../index.html#69