童夢へ
62/331

﹁極貧地獄へようこそ﹂ このような模型と工作時代は︑なんだかんだといっても︑し■せん資金の出所はおこづかいとか︑お年玉とか︑母にせびり倒して出してもらうとか親がかりでしかなかったが︑オーディオに興味を持ち始めた12〜14歳の頃となると︑そのような方法で調達できる範囲ではなくなってきた︒この頃はよく母に︑﹁メンコやビー玉を買うんじゃないんだから︑こづかいをもっとくれ﹂とせがんだが︑母は︑﹁学校で聞いたらみんなそれくらいだったからその範囲でやりなさい﹂とその特殊性を一切認めてくれなかった︒ この頃は︑あまりにお金がないものだから︑使い古しの大きなトランスを自転車の荷台に乗せて近所の古物屋みたいなところに売りに行ったり︑以前︑子供の科学を見ながら作ったトランシーバーや3球ポケットラジオを雑誌の﹁売りたし﹂に出してみたりしたが︑当然ながらどれも売れなかった︒54

元のページ  ../index.html#62

このブックを見る