でいた︒いくら自動車を作るためとはいえ︑あの人に借金を頼む時のなんとも言えない屈辱感だけはもう二度と味わいたくなかった︒ そうなると︑資産も無いし︑たいした収入も無い私が︑どうしてもクルマを作りたかったら︑つまるところ︑自動車を作ることで収入を得るような事業を構築する以外に方法はないわけで︑レーシングカーが売り物にならないことは充分に経験し骨身にしみている私としては︑単純に︑レーシングカーは避けて︑その次に好きなスポーツカーを作って販売する事により継続するというシナリオしか頭に浮かばない︒321放蕩の日々
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