いので︑これは風がなさ過ぎて飛ばないのだと判断して近くのスキー場に持ち込み滑走しながらのテイクオフを試みた︒ ULTRALITE PRODUCTS︵UP︶のマークの入ったオレンジ色の機体はゲレンデでも注目の的で︑みんなが今か今かと飛ぶのを待っている︒ その注目の中で︑何度も何度も上ったり下ったりを繰り返しても浮き上がる気配も見せない︒3時間もやっていたら周りに人影はなくなり︑おまけにち■っと吹雪いてきた︒ かなり惨めな気分で帰途についたが︑飛ばないハングライダーなんか売れるわけもないから何が何でも飛ばさなければならない︒ 当時はまだ少なかったハングライダーの記事が載っているような雑誌を買ってきていろいろ調べたら︑箱根の十国峠で飛んでいるグループがあるらしいと知り︑とにかく︑実際に飛んでいるところを見ようということになった︒ 機体をもって十国峠に着くと︑折しも丘の上から一機のカイトが降下してくるところだった︒しかし︑第一印象では飛んでいるのか落ちているのかの判断が微妙な状況で︑バタバタと大きな音とともにかなりきついグライドアングルで降りてきた︒309ハングライダー
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