﹁永守正太郎﹂ 話はかなり戻るが︑第3回日本グランプリを前に︑神戸のグランプリ・スピードショップでTOJIRO|Ⅲを製作していた頃︵1966年︶︑発売直後のスカイラインGTに乗る若い男︑永守正太郎と知り合った︒ 京都の︑ビールかすから飼料を作って販売する会社の二代目だったが︑小さな会社ながら■かっているようで︑たいへんに贅沢な暮らしをしていた︒ 永守は私と知り合った直後に結婚したが︑その新居はたちまち我々のたまり場となり︑週末には大勢の友達が集まってトランプやサイコロで勝負事に興じていた︒ そんな日が続いていた頃︑誰かが急に﹁トランプも飽きてきたから︑来週はマージ■ンにし■う︒林も知ってるよな?﹂と言い出したから︑思わず﹁知ってるよ﹂と答えたが︑当時はまだ知らなかった︒ 私はさっそくマージ■ンの本と■とマットを買ってきて︑一人4役で本の通りに練習を始め293永守正太郎
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