家に帰って母にこのことを告げると︑すべてのいきさつを知っている母は︑意外にも︑﹁13年間もあんたの魅力が解らなかった女性とはうまくいかないよ﹂と賛成ではない口ぶりだったが︑今までの経緯からして反対しても仕方のないことも知っていたから︑あえて反対もしなかった︒ それよりも驚いたのは︑両家ともども本人たちの意思も確認せずに結婚に向けて走り出したことで︑あれよあれよという間にお互いに挨拶に行ったりいろいろな手続きが急激に具体化しつつある時︑私がハングライダーで骨折してしばらく動けなくなったことがあり︑K子ちゃんは何回か見舞いに来てくれていたが︑そのうち︑いろいろな理由で来られなくなることが続いたので私も連絡をしなくなった︒こういう時の私の対処法は今も昔も変わらないが︑相手が一歩近づけば私は二歩近づくし︑相手が一歩遠ざかれば私は二歩遠ざかるというのが私のセオリーだ︒ 13年間の長編恋愛ドラマのわりにはエンディングがお粗末すぎて尻切れトンボのようなオチになってしまったが︑少し経った頃︑彼女がお医者さんと結婚したと聞き︑何か肩書に負けたような気がしてガッカリしたことを覚えている︒しかし︑なんとその医者は現在の私の腰痛の287初恋の終わり
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