練たらしくて潔くない感じで︑常に︑もう会ってはいけない︑止めよう止めようと思いながらも︑レーシングカー作りが一段落して心身ともに疲れ果てた時なんかは︑ついつい足が向いてしまいずるずると離れられずにいたというところだ︒ それでも︑そろそろ決着をつけないといけないと決意したものの︑それはK子ちゃんのことは諦めるべきだという決意であり︑かなりの長期に亘って会うのを我慢していたところ︑K子ちゃんのお母さんから﹁K子が寂しがって泣いているよ﹂と電話があり︑私は決意もなんのその︑有頂天になって彼女の家まで飛んで行った︒ 今までの長い付き合いの中で︑K子ちゃんが好意らしきシグナルを出してくれたことは初めてだったので天にも昇る気持ちだったが︑K子ちゃんに会うと﹁最近︑みんなが来なくなって寂しい﹂と肩透かしのような反応だった︒がっかりした私はお母さんに﹁別に僕に会いたいわけじゃなかったみたい﹂と言うと︑﹁敵が弱っている時がチ■ンス﹂などとけしかけるようなことを言うから︑またもやずるずるとK子ちゃん家を訪れるようになっていた︒ しかしこの13年の間に︑K子ちゃんはくだんのライバルとの本格的な恋愛関係が破綻していたり︑超堅物だった私も超軟派に変身して柔軟な考え方ができるようになったり︑状況は知284
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