作を依頼するという口実で話を持ちかけた︒ 彼女はとっても興味を持ってくれて︑さっそくいろいろと打ち合わせをしたり見本を探しに行ったりと付き合いが始まり︑おかげで私にとっては楽しい時間が始まった︒ 天衣無縫な彼女は見ているだけで楽しかったが︑文字通り見ているだけで何も発展しなかったものの︑それからの私の人生を大きく変えていくキーマンとなることはこの時はまだ知らなかった︒ 後日談になるが︑ある日︑将一から電話があり﹁大阪の友達のガレージの奥からPANICの残骸が見つかったけれどどうする?﹂と連絡があったので︑さっそく買い取って︑いつもお願いしている鈴鹿の岡さんのガレージ︵クラブ・スプリント︶でフルレストアしてもらった︒ そうしたら︑パテで埋められていたノーズの下から真理ちゃんの製作したエンブレムが現れたし︑坪ちゃんが乗る時に邪魔だと外したレザーシートは︑当時の友達が家に持って帰っていたのが発見されたと持ってきてくれた︒281塚本真理との出会い
元のページ ../index.html#289