﹁塚本真理との出会い﹂ この少し前︑くさびの借金を返しつつも日夜遊びまわっていた頃︑よく出没していたのが銀閣寺にあった﹁ZIGZAG﹂という店だ︒名前の由来はマリワナを巻く道具から来ていることからも解るように怪しげな店だったが︑若者のトレンドの最先端を突っ走っていて魅力的な人種のたまり場となっていた︒ そこでは二人の女王が君臨していて︑その中の一人がまだ10代の塚本真理だった︒ずば抜けた容姿はもちろん年齢に似合わないスケール感は︑そこらあたりの若い女の子とは一味も二味も異なりその存在感は一線を画していた︒何をどうするわけではないのだが︑その一挙手一投足が魅力にあふれていた︒ 私はたちまち惚れ込んでしまったから何とかお近づきになりたいと虎視眈々とチ■ンスをうかがっていたが︑そのうち︑彼女がハンディクラフト的なものに興味があり実際に手作りもしていると聞いたので︑その頃︑計画していたPANIC用のエンブレムとレザーシートの製280
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