幸いエンジンは普通のように回りだしたが︑何しろノーマルだからトロイのなんの︑周囲のフルチューンのエンジンの甲高い咆哮に比べるとあくびの声のようなものだが︑とりあえず不参加は避けられた︒ 今回のくさびの時の借金問題はとても私の精神を■んだし︑かつて味わったことのない屈辱感というか恥ずかしい思いもしたし︑何よりも心配ばかりかけてきた母に借金の肩代わりをしてもらったことは最大の敗北だった︒ いくら燃え盛る情熱にあふれていようが︑プライドを捨ててまで︑他人に迷惑を278PANIC走り始めと同時にエンジンがブローしてしまったので全くセッティングする時間がなく、サスペンションはとても変な動きをしていた。タイヤのグリップだけで走っていたようなものだったが、エンジンがノーマルでまるで走らなかったために基本的にそれ以前の問題だった。
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