解良のおかげで何とか間に合ったPANICだったが︑坪ちゃんが走り出すとすぐにヨシムラ・チューンのエンジンがブローしてしまった︒ チューンド・エンジンどころかノーマルのスペアもない︒誰に聞いても余っているエンジンはなく途方に暮れていたら︑MACRANSAを作っている時から大変に親切に協力してくれていたRSCの木村昌夫さん︵後の無限の専務︶が﹁ノーマルで良ければ︑試験車の使わないのが倉庫にあるから使ってもいいよ︒後で元に戻しておいて﹂と言ってくれた︒天の助けである︒ この木村さんとも長い付き合いになり︑無限時代はかなり強い協力関係を持ってレースをしていた︒ 急いでRSCの倉庫に行って置いてあったN360のエンジンを降ろし始めたが︑エキパイを外した途端にネズミが飛び出してきて︑解良と私は腰を抜かさんばかりに驚いたものだ︒どうやら巣を作っていたようだが︑ヘッドをばらす時間もないので掃除だけしてPANICに搭載してエンジンを始動してみた︒277PANIC
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