私は常に超貧乏だったし先行きに何の希望も持っていなかったが︑この頃はカラスの時代のようにバイトや節約でしのげるようなレベルを通り越して︑日に日に必要な金額が大きくなりすぎて私生活をいくら絞ってみてもそれで解決するという問題ではなくなっていたし︑何よりもレース関係者との接点や会話には興味津々で︑みんなのたわいない会話に加わっているだけで︑自分もいっぱしのレース関係者になったような気分で舞い上がっていたような時代だったから︑これらのレーサー連中の集まるような場所にはし■っち■う繰り出していたものだ︒ こじつけるわけではないし︑遊ぶことに理由づけも必要ないことだが︑私の人脈は主としてこの後の若い時代に遊ぶ場所で形成されていった︒この頃はお互いに若くて対等の付き合いから始まっているから︑その後︑その連中が大企業の社長になろうが政治家になろうが︑同窓会と同じノリで俺お前の関係が保てる︒社会人になってからの利害関係をベースにした付き合いや︑人脈を広げるための寄り合いで知り合っていてはこうはいかない︒ 特に組織が大嫌いな私は︑一切︑何の会にも所属していないから︑この頃の遊び友達がいなかったら︑今頃︑誰も友達はいなかっただろう︒当時は︑東京での華麗なナイトライフに酔い245東京byナイト
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