童夢へ
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﹁EVA CARS﹂ Mは︑バギーの件での不始末をものともせずに︑それからもいろいろと頼みごとをして来ていたが︑しばらく音信が途絶えていたからどうしているのかなと思っていたら︑Mの兄から電話があり﹁レーシングカーを生産販売する会社を始めたので相談がある﹂とのこと︒ 相談の内容は︑出資して協力しないかという話だったが︑かなり計画は進行しており販売予定のレーシングカーの開発も半分以上は進んでいた︒第一印象としては︑それなら最初から言って来いという疑念があったし︑今までは私にも秘密裏に進めてきたということでもあるのだから︑資金や人材不足で切羽詰まってきたから引っ張り込めという魂胆が見え見えで︑かなり印象が悪く躊躇せざるを得なかった︒ 何よりも2台のデビュー作が既に半完成であるということは︑今から参画しても単にMの作品の製作の手伝いをすることにしか過ぎず︑全く興味をそそられなかった︒ 最初は﹁フン!﹂という感じだったが︑このMの兄というのが調子は良いわ口は立つわしっ228

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