﹁増殖するMACRANSA﹂ 安い費用で速くなるという評判でMACRANSAのボディの注文は相次いだ︒しかし︑私にとっては先進的なモノコックが失敗した残骸でしかなかったし︑エンジンの飛び出した暫定的な出来損ないであったから︑自信を持って売れるような代物ではなく︑正直言って売りたくなかったし︑早く次のまともなレーシングカー作りに没頭したいと思っていたから︑断りきれないオーダーにだけ応えていたような状態だった︒ ただし︑その断りきれないオーダーの中に将一からの注文も多く︑それらは架装も含めてちゃっかりと利益を得ていたようだ︒ 68年の第5回日本グランプリには︑将一スペシ■ルを含めて4台のMACRANSAが出場し︑鈴木八須男がR381やポルシェ910やトヨタ7などに続いて12位でフィニッシュし性能指数賞を獲得している︒224
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