童夢へ
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画が進む中︑徐々に膨張をつづけ︑最終的には11億円を超す出費となってしまった︒ ただし現在では︑昔のように結果的に借金が残ってしまったというようなルーズな展開ではなく︑厳重な予算管理システムを駆使して管理しているから︑予算の変動は手に取るように把握できているが︑膨れ上がる予算をだれも止めようとしないから︑結果としては昔も今も変わらない︒ 第3回日本グランプリ後の借金がいくらくらいであったのかは全く覚えていないが︑微々たるものではあるが利益の出始めていた中古車の販売やバイトで徐々に返済を進め︑67年の初旬には返済を完了していたように思う︒そうして少しのお金が手元に残り始めると︑次のレーシングカーが作りたくて矢も■もたまらなくなる︒ たぶん︑MACRANSAを作るのに必要な資金の10分の1にも届かなかったであろうに︑私の頭の中はもう次のレーシングカーの開発のことしかなくなっていた︒ 予算不足が最大の原因だが︑私は︑大失敗したモノコックはあきらめ︑素直にS600の207MACRANSA

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