童夢へ
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﹁MACRANSA﹂ 無我夢中のうちにドタバタと時間だけが流れて行ったような第3回日本グランプリが終わった後には︑また借金だけが残っていた︒資産も収入も仕事もろくにない私にはたとえ1万円でも大金だが︑半面︑レーシングカーを作るという行為にとっては︑はした金だ︒ 資金を合理的に調達する方法などは考えもつかなかったし︑実際︑宝くじでも当たる以外に方法もなかっただろう︒だから最後までのきっちりした資金繰りなんか考えようもなかったし考えるだけの想像力さえも及ばなかった︒ この頃は︑とりあえず︑スタートできる資金だけでも手元にあれば︑矢も■もたまらず突っ走ってしまい︑後は走りながら考えるというスタイルだったから︑当然︑終わった後は借金だらけである︒ある意味︑確信犯だが︑実際には確信犯というほど計画性もなく︑単に欲望に突き動かされただけの後先考えない無謀な行動だった︒ あまりに卑劣な行為で同列に考えたくもないが︑性欲を抑えきれなくてレイプに走る若者の205MACRANSA

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