童夢へ
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 その上︑進めるうちに大問題が浮上してきた︒もともと︑エンジン位置を下げて後退させることを前提に設計しているから︑オリジナル・シ■シーに架装するとエンジンがボディから飛び出してしまう︒ どう見てもカッコ悪いがどうしようもない︒諦めてアルミでカバーを作ることにしたが︑前川さんが︑﹁どうせ飛び出るのならスーパーチ■ージ■ー付けようよ﹂と言いだした︒私はこの飛び出したエンジンの始末に頭を痛めていたから︑これなら良い言い訳になると二つ返事で飛びついた︒ 通常は二次マスターをドアとかフロントカウルとかに切断して仕上げ︑二次メス型を作ってそこから製品を成形するのだが︑今回はその時間もなかったので二次マスターをそのまま搭載してしまった︒いらないモノコックの重量と重い二次マスターのボディでは軽量化どころではないが︑とにかくグランプリの直前になって︑一応︑TOJIRO|Ⅲは形になった︒193飛び出したエンジン

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