童夢へ
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と二の腕などは骸骨のように細かった︒ 失敗に継ぐ失敗で遅れに遅れていたから︑あせって︑FRPの硬化を促進するためにストーブの近くに置いたまま︑徹夜の疲れで眠りこけてしまった︒目覚めた時にはあたりはうす暗くなっていたから︑数時間くらいはストーブで熱せられていた事になる︒ ﹁しまった!﹂と思った時は既に手遅れで︑ツインチューブのウレタンは膨張して全体的に膨れ上がり︑ストーブの側だけ温度が上がっていたハニカム部分は大きく湾曲し︑見るも無残な様相を呈していた︒私は全身の力が抜けて茫然とそこに立ち尽190悲惨なモノコックこれは、時間切れで仕方なくオリジナル・フレームに搭載してグランプリに出場した後のモノコックだが、方々が大きく変形している。基本的には当初のアイデアスケッチ通りの設計なのだが。

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