童夢へ
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 当時︑そんな真夜中に珍しい外車でうろうろしているのは︑私たちか富田義一かしかいなかった︒まだスーパーカーブームで脚光を浴びる前のトミタオートは︑青空経営の我々と違って︑円町に小さなショップを持って堅実な経営をしていた︒ 富田とはやたらといろんなところで出会ったからたちまち仲良くなったが︑富田からみればNは単なるブローカーで格下だったから︑この二人の関係はあまり良くなかった︒ このように︑Nとは全く違う人生を送り︑全く違うキ■ラクターだったのに︑あらゆる面で持ちつ持たれつだったし︑ある意味で依存し合って支え合っていたともいえる濃厚な関係だったが︑私が東京に長期間滞在している間に︑仕事上での無理がたたったのか︑私が■を預けていた私の在庫車を売り払ったまま行方不明になってしまった︒当時は︑ヤクザと揉めて消されたとか︑北朝鮮に逃げたとか■されていたが︑それ以来︑杳■■として消息不明だ︒180

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