童夢へ
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ら︑一般的にはお金持ちのぼんぼんと見られていたのだろう︒ スティングレイといえば︑いつものように深夜の山道をぶっ飛ばしていた時にタイヤがバーストして山側の壁に突っ込んでしまった︒壁は赤土でフロントタイヤあたりまで食い込み︑なかなか抜けない︒ギアを前後入れ替えながら何とか抜き出して帰宅した翌日︑いろんな友達から﹁スピンしただろう﹂と電話がかかってくる︒誰も知らないはずなのにおかしいと思って現場に行くと︑そこには︑ナンバーまでもくっきりと解かるスティングレイの特徴的なノーズ形状がリアルに彫り込まれていた︒おまけに︑その手前の路面にはスピンしたタイヤ跡が鮮明に残っている︒ 古いアメ車で■有︵有料道路︶を下っている時︑ヘヤピンの手前でアクセルから足を離したとたんにエンジンがストップしてしまった︒この頃のアメ車はエンジンが止まってしまうとハンドルもブレーキも全く効かなくなる︒スピードに乗っていたから為す術もなくガードレールを突き破ったが︑視覚的には太平洋に向かって飛び出したような感じだった︒ 実際は︑斜面の木立ちをなぎ倒しながら下の道まで出て︑エンジンをかけて何事もなかった173相棒N

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