童夢へ
173/331

てていたんだよとか説明しながら︑かなり奥深い人の気配も全くないような坂のてっぺんあたりまで行くと︑小さな祠■■■がありお地蔵さんのようなものが祀■■ってある︒ なぜかその祠には蝋■■■燭■が一本だけ燈っていてとても不気味な雰囲気だ︒女の子は震えそうに怖がって︑﹁帰ろう︑帰ろう﹂と連発しているところに︑その祠の横から真っ白な人影のようなものがふわっと現れた︒女の子は︑﹁ぎゃーっ﹂と奇声を発して気を失ってしまったが︑それは︑先に行っていたやぶさんが白いワイシ■ツをかぶって出てきただけで︑よく見ればすぐ解る下手な化け方だったがよほど怖かったのだろう︒ やぶさんは悪いことをしたから送って行ってやると︑気絶したままの彼女を自分の車に乗せて去って行ったが︑翌朝︑大阪のやぶさんの旅館に行くと彼女が寝ているではないか︒ 私は女の子が気絶している間に手■■■籠にしたのではないかと疑って激怒したが︑逆に彼女に﹁まあまあ﹂となだめられ︑君のために怒っているんだけど? とおかしな雰囲気になっていた︒後で考えるに彼女とやぶさんは既に出来ていて︑二人で示し合わせてうるさい私から離脱したのかもしれない︒ ことほど左様に男と女の機微に関してはとても疎かったが︑あとからやぶさんに﹁よく蝋燭165天使も人かも?

元のページ  ../index.html#173

このブックを見る