﹁天使も人かも?﹂ 人生のスタートラインを踏み切ったような激動の1965年から1966年にかけて︑この頃の私は︑K氏ややぶさんについて回っていたというか︑絶えず呼び出されていたと言うか︑とにかく毎日のように大阪と神戸あたりをうろうろしていた︒ 相変わらず私は超堅物だったから︑この少し大人でかなりナンパな二人はいろいろ私に隠し事をする︒怪しげなんだけれど何が起こっているかよく解らない︒ ある日やぶさんが︑当時︑新聞なんかでも盛んに取り上げられていた京都の深■■泥■■池■■に出るという幽霊を見に行こうと言い出し︑やぶさんの車と私のS600クーペ︵このあと浮谷が事故る車︶の二台で出かけた︒途中︑知り合いの女の子を誘ってS600の横に乗せて行ったが︑このS600︑ストレートカットの5速ミッション付きなので︑走ると︑﹁ヒュー︑ヒュルルル﹂と︑とっても幽霊見物には最適の効果音を発する︒ 病院の横のつづれ折りを登っていく間︑昔はこの精神病院で亡くなった人は横の深泥池に捨164
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