童夢へ
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﹁お椀付き﹂ やぶさんは︑この第2回KSCC 1時間自動車レースに次いで︑TOJIRO−Ⅱで10月のレースにも出場することになったが︑レース直前になって︑﹁なあ︑みのる︒我慢していたけど︑このままでは首が痛くて走れんわ﹂と言いだしたので見てみると︑座高が高すぎて頭をどちらかに傾けていないと乗れない︒ まあ︑やぶさんの名誉のために注釈を加えるなら︑身長も高くドライビング・ポジションもトラックの運ちゃんスタイルだったからその分も差が出たのだろう︒とりあえず︑レース直前で対処のしようもないのでルーフに穴をあけることにしたが︑やぶさんが乗り込むとヘルメットのてっぺんだけがぴ■こっと飛び出して滑稽この上ない︒ このままでは笑いを取るために走るようなものだから︑荒物屋で料理用のアルミ製ボウルを買ってきて蓋をした︒これでも充分に■笑を買ったが︑ヘルメットがひ■こひ■こ動くよりはましだっただろう︒162

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