童夢へ
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態度をとり続けていたような気がする︒ 特に︑このTOJIRO−ⅡのスポンサーであるK氏は︑せっかく作ったのだからぜひ出場させたい意向ありありと﹁追悼の意味でも走らそうよ﹂とやぶさんに乗ってもらっての出場を強く希望していたし︑周囲の人たちも︑私には気を遣いながらも着々と出場への準備を進めつつあるという状況だった︒ 自分なりの美学からすれば︑この際︑すっぱりとレースから足を洗うべきだという極論が建前というところだが︑内心では︑これが一時的な感情論であることは充分に認識していたし︑本音としては︑浮谷の死と自分のレーシングカーへの思いは全く別の問題だと割り切っているドライな自分がそこにいて︑私は私なりに本音と建前の間で■藤していたが︑結局︑いろいろ抵抗しているようなそぶりを見せながらも︑出場への流れに棹■■をさしている自分の右■顧■■左■眄■な態度に︑しばらく自己嫌悪に陥っていた︒ この時の■藤や自己嫌悪の影響は後々までかなり大きく残り︑そういう自分がどうしても無様に思えて許すことができず︑その後︑建前を捨てて本音と本質論だけを大上段に振りかざすスーパーストレートといわれる私の性格を形成していく主たる要因になったと思っている︒161レースは続く

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