﹁能天気か思いやりか深謀遠慮か﹂ 車の改造話に一人付き合ってくれたこと︑カラスの部品ができた時の感嘆の言葉︑部品のボルト止めを先んじて提案してくれたこと︑カラスが完成した時にカッコイイと喜んでくれたことなど︑思い起こせば︑私が窮地に陥った時に︑必ず的確なタイミングで私を助けるような救うような︑一挙にその場の流れを変えるような的確なコメントを︑しかも︑なんの作為や意図も感じられないさりげなさで助け船を出してくれたのが︑これらのすべてが︑もし︑気遣いや思いやりからの意図的な行為だとしたら︑私は浮谷を神と崇■■めたてざるを得ないだろう︒もしそうだとしたら︑とても人間業とは思えない崇高さを感じてしまうから︑私は︑これらの出来事は浮谷のただただ能天気なほどの前向きな思考回路から発せられた素直な気持ちの発露だと思うことにしている︒ 真実がどうであったかというよりは︑私にとっては︑神と付き合っていたと思うよりも︑単純に前向きで底抜けに朗らかな浮谷の思い出の方が彼らしいと思うからに過ぎないが︒158
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