童夢へ
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造にあれこれ指示されるのがプライドを傷つけられるのか︑次の日に行ったら想像を絶する勝手な改造がなされていたり︑軽量化のために外したダッシュボードの代わりにと凝ったアルミ製の作りかけのメーターパネルが置いてあったり︑とにかく真っすぐに目的に向かって進まない︒ それでも何とかボディの50%をアルミ化した白いカラスのようなレーシングカーが出来上がったが︑細部の仕上げと配線などが終わっていない︒最後の仕上げは設備の整った鈴鹿サーキットのRSCのガレージだ︒ この頃は︑レース前の徹夜はお約束みたいなもので︑みんなで夜食などを用意して待っていてくれた︒ お互いに仲良くなっていたY子ちゃんとI子ちゃんたちも徹夜態勢で待機しているところに︑見慣れない形の真っ白なレーシングカーが到着したがまだ名前もなかった︒直ちに浮谷たちも加わって仕上げに取り掛かったが︑明け方近くになっておおむね走れるような状態にまで仕上がったところで不足なパーツが出てきたので︑残りの作業は翌朝に持ち越すことにして比151TOJIRO-II

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