朝からウキウキとK子ちゃんの家に向かったのは︑例のワークス・スカイラインGTだったが︑なにしろグランプリ・マシンである︒内装は一切なし︒マフラーはストレート︒車内にはロールバーが張り巡らされ︑エアクリーナーも付いていない3連のウェバーキ■ブの吸気音はすさまじく︑シートはペラペラのおざなりなものだから乗り心地は劣悪だ︒ それでもK子ちゃんは︑﹁きゃー︑面白い車!﹂とか言って我慢してくれていたが︑琵琶湖に着いて降りようとすると︑ビーチサンダルがエキパイで熱くなった床板に張り付いて外れない︒足の裏も低温やけどしていて真っ赤になって歩けないので︑K子ちゃんは結局︑その日は浜茶屋の床■■■几■の上で一日過ごす羽目になってしまった︒ K子ちゃんの帰りはもちろんライバルTのスカイライン1500の涼しくて乗り心地の良いシートである︒京都に戻る山中越えの峠道を一人ぶっ飛ばしながら︑この時は︑つくづくノーマル車がほしいと思ったものだ︒143青い青い頃
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