またある時は︑神戸あたりのトラックが大量に消滅したことがあり︑これらは神戸港に停泊している大型船舶のところまで乗っていくと︑渡板の前にいるK氏が現金で買い取ってくれて︑まとめて海外に売り払っているというまことしやかな■もあった︒ この他にもさまざまな■があり︑ビビった私は矢吹さんに相談したが︑﹁仕事はヤバイけれど人はいい奴だから大丈夫﹂と中途半端な答えしか返ってこなかった︒ そのうち︑このガレージに行こうと国道を走っていると︑対向車線のトラックの物陰からものすごいスピードで﹁なまず﹂のようなものが飛び出してきてすれ違った︒ その頃の私は︑車を運転している時はアクセルかブレーキのどちらかを思いっきりふんづけているような運転だったから︑危うく正面衝突しそうになったが︑そのなまずはよく見るとフ■ーミュラ・カーだった︒ ガレージに戻ってきたK氏は︑﹁面白そうだから買った﹂と︑ナンバーの付いてないデル・コンテッサから降りてきた︒ またある日︑ガレージの片隅に置いてあった廃油入れのドラム缶をかき回していたK氏は︑132
元のページ ../index.html#140