童夢へ
135/331

どんよりとした曇り空をバックに130Rを駆け抜けてくる﹁カラス﹂は︑私にはそれなりに迫力にあふれてカッコよく見えるようになっていた︒ トップをひた走る真っ黒な改造車は︑誰呼ぶともなく﹁カラス﹂と呼ばれるようになり浮谷は優勝︒予定通り︑T−1︑GT|2を徹ちゃん︑T|2︑GT|1を浮谷が取り全クラス制覇は実現した︒ パドックに帰ってくる﹁カラス﹂は︑出ていく時のみすぼらしい雰囲気とは打って変わって︑その真っ黒ささえ迫力に見えるほど力強いレーシングカーになって帰ってきた︒ 同じGT−1にS600で出場していた寺西孝利なんかは︑その場で︑頼めば作ってくれるのかと問い合わせてきたり︑ジ■ーナリストのような人が取材にきたり︑そこには︑昨日までの自分には考えもつかなかったような状況が展開していた︒127優勝

元のページ  ../index.html#135

このブックを見る