童夢へ
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何もできていない︒どうすればいいかというと︑浮谷の新車のボディにドリルで穴を開けてタッピングスクリューでねじ止めするしかないのだが︑さすがに穴をたくさん開けさせろとは言えずに思案に暮れていたら︑浮谷が︑﹁途中で外れたらヤバいからネジで止めよう﹂と言ってくれたので︑思わず安■したものだ︒ ノーズコーンは︑どこかで寸法が合うようにすそ広がりに作ってあるから︑つまり︑どこで切っても面が整合しない︒これを無理矢理合わせようとすると︑浮きそうなところを次々と止めていくことになる︒最初の10本くらいは恐る恐る穴をあけてねじ止めして行ったが︑途中からは遠慮も忘れて面を整えるのに夢中になり︑気がつけば︑100本入りのタッピングスクリューが半分くらいなくなっていた︒ まだハードトップを取り付けないといけないのでほどほどにして︑同じように穴を開けまくって取り付けたが︑きれいなS600の新車が瞬く間にぼろぼろのポンコツのようになってしまった︒いろいろ事情はあるにしろ︑当時は手に入れれば悪魔に魂を売っても良いと思えるほど大切だったS600の新車をこんなぼろ雑巾のようにしてしまった私は︑内心︑忸■■■怩123カラス

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