谷のコーナリングの連続写真を撮影してもらった︒ 原稿では︑浮谷の頭にある記憶はすべて記述し︑私はその聞き取った情報からコース図に車の位置をプロットしてゆき︑その時の車速やギアなどを記入した︒もちろん︑鮒子田や横山も既にS600で3分10秒を切っていたから︑ここのギアは何速だったとかここはこの表示までアクセルを踏んでいるとか侃■■々■■諤■■々■■の合宿状態で作業は続けられた︒ 結局︑ドライビング・テクニックのハウツー本としては画期的な表現力で非常に具体的な内容の原稿が仕上がったが︑それは︑105鈴鹿で3分10秒を切る方法鈴鹿のドライビング・テクニック「オートスポーツ」1965年春号に掲載された伝説のドラテク記事である。現在と比べれば隔世の感はあるものの、当時は「ソーイング」といってハンドルを左右に振りながらコーナリングするのがテクニックといわれていた時代だから、時代背景から勘案するに、かなりまともな内容だったと思う。
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