童夢へ
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﹁鈴鹿で3分10秒を切る方法﹂ そんな頃︑浮谷に︑オートスポーツを発行していた三栄書房から鈴鹿でのドライビング・テクニックの執筆依頼があった︒ さっそくみんなで相談し︑超具体的な内容で︑これさえ読めば誰でもこのタイムで走れるというような画期的なものを作ろうと燃え上がった︒ それまでのドライビング・テクニックなどは︑おおむねヒールアンドトーとは? とか︑コーナーはなるべく直線的に回るとか書いてある程度で︑ほんの基礎的な知識は得られても︑それを見たからといって速くなるというような内容のものではなかった︒ テーマは︑ほとんどノーマルのS600に乗ってこの本の指示する通りに走れば誰でも3分10秒を切れるという︑ハウツーものというよりはインストラクションという感じで︑しかも︑これを実証主義的に表現しようということになった︒ 当時はみんな貧乏で︑どこに行っても友達の家に泊まるのが決まりだったから︑この執筆作103鈴鹿で3分10秒を切る方法

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