童夢へ
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ろに下がれるわけもない︒ なるべく体を前の方にかがみながら途方に暮れていたら︑通りがかりの人が前を押さえてくれたから何とか脱出することができた︒本当にフロントエンジンで良かった︒ 心機一転︑頭を切り替えた私は︑自らの非現実的な妄想に途方に暮れているより︑とりあえずできるところから手を付けていこうと︑大好きなHONDA S600の軽量化と空力の改善をテーマとした改善案を考えるようになった︒その日以来︑私がスケッチブックに描く絵は︑﹁R600﹂とネーミングされた改造車ばかりになっていた︒94

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