ブラジャーVSレーシングカー 2
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59第4部 紛争の勃発この時の「株は売却に協力する」は、売却に協力して売却益はいただくという意味だったようだから、私と岡本先生が洋子氏の強欲さに気が付いていなかっただけだった。<噴飯ものの強欲な提案>しかし、それだけではなかった。同時に竹村弁護士は、相続対策のために洋子氏の名義を借りていたに過ぎない童夢の25%の株と私が所有する時価2億4,000万円の下鴨の自宅の土地の交換を持ち掛けてきたが、これは、私の所有物同士を交換して土地が洋子氏のものになるという、噴飯ものの提案だった。次から次へと出てくる理不尽極まりない強欲な要求にも、全く洋子氏を疑う気持ちのなかった私と岡本先生は、少しでも洋子氏の得になるように立ち回わって、トップである塚本能交氏の満足を得ようと功を焦る竹村弁護士の独走だと思っていたから、当然に洋子氏が軌道修正するものと思い込んでいたくらい、まだ、何が起こりつつあるのか全く見えていなかった。当たり前の話をしてみたり、強欲な提案をしてみたり、何のために竹村弁護士が出てきたのかを理解できていなかったが、しかし、その口の利き方は普通ではなく、何で、ここまで上から目線の傲慢な言い方になるのかわけが解らなかったものの、何やら、おぞましい雰囲気だけは漂い始めていた。第2章 竹村弁護士の勘違いこの頃の私は、いちいち竹村弁護士の発言に怒り狂っていたが、私が資料を読み返して感じるのは、この頃の竹村弁護士は勘違いをしていたのではないかという疑問だ。第2部「童夢と林みのるの最後の夢」の第6章「大博打」で述べたように、当時、私は童夢の子会社である「童夢カーボン・マジック」(DCM)の東レへの譲渡(M&A)を進めていたが、この頃、竹村弁護士は「株は売却に協力する」とか「東レへの売却は急いだほうが良い」というような発言を繰り返している。これは、通常、大企業による小さな会社の買収は経営不振の会社の救済処置のケースが多いから、童夢も経営が行き詰って東レに買ってもらおうとしていると思い込み、株の名義が洋子氏であることを人質に、優位な立場に立とうという魂胆だったのではないだろうか。しかし、これは、はなはだしく的外れな読み違いだった。もとより、童夢もDCMも無借金で盛業中だったから救済の必要はさらさらなかったし、かなり以前から東レの方から買収を持ち掛けてきていたし、その他の企業からも声がかかっていた状

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