ブラジャーVSレーシングカー 2
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36相続財産塚本良枝氏からの相続財産11億円相続額2億円相続人能交氏真理氏洋子氏昇氏2億6,000万円3億8,000万円2億5,000万円相続税6,000万円8,000万円9,000万円9,000万円父からの相続時との差を見れば結果は歴然としているが、願ってもない大成果というよりも、どうしたらこんなことが出来るのか想像もつかない別世界の出来事だ。残された各種の帳票類から見える範囲では、高等テクニックが必要ながら、株の売却など合法的に処理されているケースも多いものの、その売却益の行方が掻き消されていたりして謎は深い。しかし、ここで塚本家の脱税を追求しても詮なきことだから、さておいて、今回の事件に直接的に関係するのは名義株を駆使した相続税回避の手口だから、ここでは、名義株にスポットライトを当てて説明しよう。第6章 15億円を消し去った塚本家の相続対策その岡本先生が出してくれた山ほどの資料から、塚本家の相続対策の実態を紐解いてみよう。幸一氏からの相続により、妻の良枝氏は311,412株のワコール株や20,000株の(株)良幸(幸一氏と良枝氏の名前を取った塚本家におけるワコールの持ち株会社のようなもの)の株を保有するなど、約26億円の資産を保有することになったし、かなりの預金や給与や配当金や家賃などの雑収入があったから、このままいくと良枝氏からの相続発生時にはかなりの相続税が発生することは確実だった。洋子氏より依頼を受けた岡本先生は、次に控える塚本良枝氏から子供たち(洋子氏たち)への相続対策を洋子氏に指導し、洋子氏が忠実にそれを実行していったおかげで、11年後の2009年に良枝氏が亡くなるまでに、良枝氏が相続した約26億円のうち15億円を消し去り、相続財産を約11億円に圧縮することに成功している。これは、単に相続財産を浪費して圧縮したのではなく、その11年間の良枝氏の収入も含めて圧縮しているし、消し去った分も子息たちの懐に戻っているから、一般の税理士の感覚では想像もつかないレベルの話であり、いくら高等テクニックを駆使したといえども、合法的な処理には限界があるし、税務署も甘くはないから、そこには岡本先生による鳩が消えるようなマジック等が施されていたのだろう。良枝氏からの相続の概要(2009年)

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