ブラジャーVSレーシングカー 2
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25第2部 「童夢と林みのるの最後の夢」(山口正己特別寄稿)マザー・シャシー「童夢と林みのるの最後の夢」の置き土産となった「マザー・シャシー」と呼ばれる、カーボン・モノコックを使ったGT300レーシングカー用シャシー。第7章 大博打からの綱渡りなんと林氏は、借金が嫌だから、童夢の稼ぎ頭であった「童夢カーボン・マジック」を東レに売却してしまったのだ。それだけでも充分に意表を突く行為だが、東レへの業務の移行を1年先に伸ばして、その間に、「童夢と林みのるの最後の夢」のシンボルとなるスポーツカー(「とわ」)を開発してしまうという、綱渡りのような計画を立てていた。それは、まったく別件(トヨタとのJVの話だが、後述する)だったが、並行して進められていた風洞実験設備のトヨタへの売却も、同じように先延ばしして、その間にスポーツカーの空力開発を進めるという計画だった。このイラストはイメージスケッチであり、最終的な形状は未定だったが、林氏の場合、現車はより強烈な形で登場したであろうと思われる。第8章 シャシーの開発開始このように「とわ」の開発を急ぐ必要があったので、先行してシャシーの開発を開始した。ちょうどその頃、国内で最も多くの観客を集めて注目度の高い「スーパーGT」のGT300クラスに、外国製のGT300(FIA-GT3)が進出して寡占状態になりつつあったので、主催者のGTAに国産のレーシングカーを増やして外国製の進出を防ぐという提案をするとともに、この「とわ」のシャシーを供給することにした。この「マザー・シャシー」と名付けられたシャシーを使ったレーシングカーは、現在も活躍している。

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