191第19部 最後の最後のどんでん返し第19部 最後の最後のどんでん返し全てを取られた上、童夢の25%の株に関しても未解決のままだったが、全てを取られた私に交渉のカードは残されていなかったから苦慮していた。唯一、あるとすれば、第3部「結婚から離婚まで」の第9章「私の名義株」で説明した、私名義のままで残っている(株)良幸の株だが、これをカードにするためには、その株が私のものであると主張しなければならない。しかし、それでは、明らかな名義株を「私(洋子氏)のもの」と主張している洋子氏と同じ穴の狢となってしまうので、何事も綺麗ごとで通したい私は途中まで交渉のテーブルには乗せていなかった。そんな時、友人だった元漢字検定の大久保君が「洋子さんにとっても処理しておかないといけない問題ですから、私個人の提案として洋子さんを説得してみます」というので、ずるいようだが、一歩下がって下駄を預けることにした。しかし大久保君からは、「洋子さんが、いくらくらいになるのか調べてほしいと言っています」とか「洋子さんがなかなか手放そうとしないので難航しています」などと、あくまでも金にする気が満々の報告が続いたまま、ずるずると3年ちかくが過ぎてしまった。困ったことに、その間、大久保君からは「洋子さんを刺激しないように紛争についての発言は控えてほしい」と言われていたから口を閉ざしている間も、私にとって不利な噂は広がり続けていた。たまりかねた私は、2022年の8月になって大久保君に「そろそろ決着を付けよう」と告げ、8月17日に我が家で善後策を協議することにしていたが現れず電話も通じなかったが、実は、既に前日に意識障害から落水して大久保君は死亡していた。あまりに突然の出来事に、リアリティもなく呆然とするしかなかったが、現実問題として、洋子氏と通じていた細い糸も途切れてしまった。その時、私が大久保君に告げようとしていたのは、その少し前、友人から紹介されていたA弁護士に交渉を委任するという話だった。もう法律も弁護士も裁判もこりごりと思っていたから私は乗り気ではなかったものの、紹介してくれた友人の顔を立てて会いに行ったところ、事前に渡してあった『ブラジャーVSレーシングカー 2 』の粗原稿を「何回も読ませていただきましたが、まだ出来ることはある」と言うので、思わず私も膝を乗り出したものだ。A弁護士によれば、「(株)良幸株と童夢株の交換は可能」という話だったから、正直、私は少し
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