とっておき!お蔵入り企画集

TUBE BOAT (1990)

ツ黴€

 

 

 

 

 

 

 

「先日、パラオに行きました。 日本からはハワイに行くのと同じ位の時間がかかりますが、そこはハワイなどと比較にならない別天地。
文字どおり、ぬけるような青い空、ライトブルーに輝く海は水の存在を忘れさせるほどの透明度を保ち、色とりどりのサンゴとたわむれる熱帯魚達の乱舞はさながら自然の万華鏡をのぞいているようです。
クルーザーで島々を巡り、リーフの近くではトローリング。
ダイビングポイントでは高度なエマージェンシー・セーフ機能を持つスキューバ・ダイビングセットで海中散歩、おかげで充実した3日間を過ごすことが出来ました。 しかし、最後の日。 出発までの数時間、寸暇を惜しんで浜辺に出かけましたが、ボートも何も予約していなかったので、手元には浮袋が1つ、もうこれだけでは遊べません。
仕方なく、ベンチに寝そべりながら、今、何があったら楽しく遊べるだろうと考えてみました。
パラオのような別天地でもモーターボートやパラセール、スキューバ・ダイビング等の遊び道具は欠かせません。
汚れた日本沿岸の海水浴場でもウィンド・サーフィンやディンギー、ジェットスキーでもあればそれなりに楽しむことが出来ます。
しかし、これらのマリンレジャー用品はとても高価であり、おまけに高度な技術や免許の必要なものが多く、一般的とは言えません。
運搬も大変です。
一方、安価なレジャー用品に目を向けると、昔ながらの浮袋や水中めがね。シュノーケル、ビーチボール等があげられますが、この2つの商品群の中間層をカ バーする、一般商品では最も売り易い価格帯と言える5万円~10万円クラスの商品群が欠落していることに気が付きました。なぜでしょう?」


という書き出しで始まる企画書の主旨は、マリンレジャー用品のネックは浮力を得るマテリアルにあると看破しています。
すなわち、低コストで一定の浮力を得るためにはビニールか発泡スチロールしかなく、これでは商品価値は望めません。
かと言ってゴムとなると開発費もコストもかさみ、プラスチックでは重量やサイズがネックになります。 そこで、自動車メーカーなどにはびっくりするほどの低価格で納入しているタイヤのチューブを利用したマリンレジャー用品はどうでしょうか、という企画書で す。
夏の気配にふと思いつき、秋風とともに忘れてしまった、ある夏の日の出来事みたいな思い付きです。