COLUMN / ESSAY

「私のアジェフェスト」 ―政策集―

舘 信秀から、「参院選に立候補を要請されているんだけど」と相談を受けた時、私は、モータースポーツと関係のない立場からの立候補であることを前提に賛成した。
しかし、ふたを開けてみると、中嶋、亜久里、脇坂、星野、関谷、土屋などレース界のお歴々が支援者として顔を並べ、さながらレース界の代表者のような出陣式でがっかりとしてしまった。
これでは、将棋界から将棋界のお歴々の支援のもとに羽生名人が立候補しているようなものであり、国民から見れば、たぶん将棋界への利益誘導しか頭にないだろうなと想像してしまうだろう。野球選手や柔道家などのスポーツ上がりの連中が、それしかないから、こぞってスポーツの振興やスポーツ省の創設を訴えていたのと同じだ。
レース界の人たちが何人集まっても、もとより彼らには世間や世界は見えていないのだから、だからいつまで経っても日本の自動車レースが世間に取り残されたままのマイナーな状況が続いているという現実も理解できていないようだ。
私が舘の立候補に賛成した理由は、舘が万が一にでも当選したら、私が常々考えてきた政策案を押し付けて立案させて、成立しないまでも、一件でも表沙汰になったら面白いという下心があったからだ。
もう、私の政策案は無駄となってしまったが、舘は、ちょっと頭のスイッチを切り替えれば、ある意味で政治家に適した人材だと思うので、ぜひ、もうちょっと勉強してから再度のチャレンジを期待したい。

私が舘に託そうと思っていた「アジェフェスト」

政治家になるための国家試験の創成
マッサージ師だって美容師だって調理師だって国家試験は必要なのだから、当然、国会議員に立候補する人たちには厳しい国家試験という関門を設け、国政を司り国際社会で活躍できるだけの能力を問うべきだ。
少なくとも、弁護士試験よりは数倍も難しい関門を突き抜けて後、初めて国民の選択を受ける資格を得るものとする。
これにより、少なくとも、スポーツにうつつを抜かしていたような頭の空っぽな連中などは淘汰できるだろう。

教育
国費により運営される国立大学は、もっと内容を充実させて入試の基準をうんと厳しくし、真のエリート、英才教育の場とする。就学途中も厳しい関門を設けて淘汰し、卒業生は政治家と官僚と国の定める技術系研究開発組織にのみに就職できるものとする。
卒業後、10年以内に民間企業に転職する場合は、それまでの教育費を国に返済する必要がある。
民間企業が国立大学の新卒者に入社を求め本人も希望する場合は、企業は国にそれまでの教育費を支払わなければならない。

天下り
官僚は、国費によって国立大学で育成されたスーパーエリートだから高給優遇する。
ただし、長年の悪癖のように堆積してきた天下り問題を一挙に解決する方法はないから、新規採用を抑えて公務員の削減を進め、能力によって厳しく淘汰する信賞必罰を徹底するなど、時間をかけて改革を進める。
また、国費によって国立大学で育成された官僚が定年以前に退職する場合や、民間企業に転職する場合には、一定の基準で退職金が減額される。

独法や公益法人などのあと始末
裁判員制度のように、立法化された国民による独法や公益法人などへの審査機関を設けて徹底的な仕分けを実施する。
無作為に抽出された30名を1チームとして100チームを組織し、抽選で割り当てられた3つの独法や公益法人などを国民目線で徹底的に調査する。
つまり、各独法や公益法人などは別途の3チームから3回の調査を受けることになり、最終的に、その3チームの総意で今後の処遇が決定されるものとする。
全てを調査するとなると、1チームが700以上を調べなくてはならないから、怪しい順や扱い金額の多い順などの順位をつける必要があるだろう。

官庁/官僚の業績を明らかにする
本当に国民や国のために仕事をしている人を正確に評価でき、また、信賞必罰が機能するように、個々の官僚の実績を明確にしなければならない。
とりあえず、全ての案件に対してプロジェクト・リーダーを設け、各種書類は個人名で作成し責任の所在を明確にする。
また、各案件ごとの経緯と結末を全て各省庁のホームページで公開し、透明性を高めるとともに国民に評価を問うシステムを構築する。

格差社会を目指す
格差のない社会とは、努力した人も怠惰に過ごした人も同じ処遇を受けるということだから、すなわち社会主義の国だ。今さら、社会主義の是非を問うのも愚かな話だが、日本は、努力の報われる国でなくてはならない。
病気や家庭を失った子供などの社会的弱者を社会が温かく見守り擁護することは当然だが、落伍者とは明確に区別しなければならない。

国民車構想
日本独自の軽四輪は、360ccから始まって、徐々に拡大高性能化してきているが、現状、いかにも中途半端である。
軽四輪からのステップアップをターゲットに、よくリッターカーの構想が語られるが、このリッターカーに大幅な優遇処置を与え、新しい国民車として普及を促す。
新型車ラッシュとなって自動車関連企業が活性化するし、買い替え需要も拡大するし、お得感があれば1.5リッターや2リッターからの乗り換えも増えるので、CO2の削減や省エネにも貢献するだろう。

米軍基地
日本は軍備が不十分だから抑止力としての米軍の駐留に依存するという事が前提であるのなら(私は国家である以上、日本も外国に依存しなくてもよいくらいの軍備は必要と考えているが)、当然、軍事力が大きいほうが抑止力が高いのは当然なのだから、なるべく多くの兵力が駐留するようにお願いするのが筋じゃないのか?
グァムに8000人も行かれては困るのだし、そのために必要な6000億円も惜しいから、おもいやり予算の一部をへずった分と、辺野古に移転する費用を加えて1.5兆円くらいを作って、そのお金で、現在の普天間基地の内陸側に音を遮るための高層マンション群を防音壁のように連続的に建設する。
そこに住民を住まわせるが、元が防音壁でタダなのだから管理費だけで賃貸できる。
その防音壁の内側(基地側)は基地専用特区とし、旧住居は改装して米兵相手の歓楽街やカジノにでもすれば商売する住民も出てくるだろう。
ただし、ここには一切、民間人は居住してはならない。居住を許せば、いずれクレーマーとなって被害を騒ぎ立てる存在になるから。

中国での製造を抑制
中国に生産を委託して製造コストを下げている企業は、すなわち、日本で売った1万円の内、数千円は中国に貢いでいて、中国はその実入りで軍備を拡充しているのだから、国内の産業を疲弊させると同時に中国の脅威の拡大に手を貸している訳で、大変に愚かな行為である。
このような企業からはガッポリと税金を徴収するような手段を講じるべきだ。

日本化学技術賞(仮称)
日本人の科学者/技術者で、創造性あふれる優秀な実績を残した人に、ノーベル賞のように10億円くらいを贈るようなインパクトのある賞を設立すべき。
毎年、大変に話題になり、青少年の良き目標になるだろう。

国防
日本の憲法9条が変えられないのなら、それはそれとして、それを理想として大いにかかげ専守防衛という軍事力の増強に注力する。ただし、予算を増大させるという単純な話ではなく、すべての兵器の開発や生産を国内で賄い、日本の技術力の向上や産業の発展にも貢献するように配慮する。
これにより、技術立国たる日本がアメリカのFXを売ってもらえないなんて情けない話は5年で立場が逆転するだろう。

高度な専守防衛の手段として、核ミサイル攻撃に対する絶対的な防衛策が必要不可欠だが、そのために、超高性能な迎撃ミサイルを開発する。
また、核攻撃に対する防衛手段を開発するためには、核兵器の能力に関する調査は必然であるから、超小型の実用性の無い実験用核爆弾を開発する。
日本が、実験用とはいえ、いとも簡単に超小型の核爆弾を開発するのを目の当たりにした中国にはプレッシャーとなるし、ミサイルの正確さをPRすれば、つまり、日本はいつでも核爆弾を製造することが出来て、しかも、正確無比な高性能ミサイルを持っているのだから、と言うことは、いつでも中国本土を攻撃できるということであり侮れない存在となるだろうし、少なくとも、座して死を待つような事態は避けられるだろう。

スポーツの抑制
もし、国民が全てスポーツ選手になったとしたらどうなるだろう? GNPは誰が稼ぎ出すんだ? スポーツなんて、誰かが勉強して研究して創意工夫を凝らして科学が進歩し、そのおかげで病気を治したり災害を防いだり食い物に困らなかったりと安穏な生活を送れることを前提とした遊びだ。
人生に遊びは必要だから、麻雀にしろパチンコにしろ楽しむ分には一向に構わないが、朝から晩まで熱中していたら、それは単なる放蕩だ。
国策として、国民がスポーツに費やす時間を抑制して、生産性の高い有意義な方向に誘導すべきだ。戦後、軍事力を外国に依存するという奇策で軍事費を免れて国力の強化に専心して大いなる成果を上げた我が国が、この不況時にスポーツにうつつをぬかしている時ではない。

原子力発電環境整備機構(NUMO)のTVCMの中止
「高レベル放射性廃棄物を地層処分しています。みんなの宿題だよ」って、ステンレスの容器に入れて地中に埋めているが、いずれ漏出して問題になるから、次世代の子供たちお願いしますよって、こんな無責任な責任回避を繰り返しTVCMで流し続けるNUMOって団体は、一体、どんな神経をしているんだろう?
半減期が数万年(資料によっては400万年と書いてあるものもある)に及ぶ高レベル放射性廃棄物を放置したり、そこらここらでばらまいた劣化ウラン弾や地雷など、未来の人たちから見れば、我々は、かなり恥ずかしい時代に生きていると言えるだろう。

消費税増税
もうすぐ1000兆円にも及ぶ借金を積み重ねてきた自民党の政策を強く支援し続けてきた日本国民の総意によるこの借金は、日本国民全ての借金ではあるが、その旗振り役であった自民党に、その政策の意図とこれからの解決法をしっかりと説明していただきたい。
昨今の、「消費税の増税は止む無し」、「勇気をもっての提言は評価する」というたぐいの発言を聞くたびに暗澹たる気持ちになるが、現在の政界の長老たちは、ほとんど元をただせば自民党でせっせと借金を積み重ねてきた張本人たちなのだから、一度、きっちりと総括していただきたいものだ。全てはそれから。
それはそれとして、出来てしまった借金はしょうがないから、全力で精算に向けての努力をするべし。
法律を改正し、直ちに金利を停止し元本返済のみに切り替え、消費税増税分を全て国債の返済に充当する。今後は国債が発行できないのだから、基本的には国民へのサービスは低下するが、ばらまきのような無駄な出費を控え、国債の利払いから逃れ、各種の増税を実施して借入に頼らない財政体質を確立する。
景気がどうのこうのという意見も出てくるだろうが、毎年、40兆円以上の借金を続けながらの贅沢三昧が異常事態だという普通の感覚を取り戻せば良いだけの話だ。
国民は、毎日発表される借金残高の減少を心の支えに喜んで消費税を支払うだろう。

新しい税法
現状では、企業は赤字の場合、税金を払わなくてもいいが、今後は、赤字であろうが黒字であろうが関係なく、年商に対して一定の税金を徴収するようにする。
一方、相続税は大幅に軽減し、成功者の努力の成果を形として残すようにすることによって国民の向上心の発露となす。

外国人参政権
童夢のホームページのコラム「スポーツ亡国論」で述べたように、本来、0票であるべきスポーツ選手などにも大量の票数が流れ、恐ろしいことに、中には当選してしまうスポーツ選手もいる国柄なのだから、もし、韓国が国策として韓流スターを大量に帰化させて立候補させれば、大量の、やや高齢ご婦人票が殺到してたくさんの韓国人議員が誕生し、「韓民党」なんて政党が出現するかもしれない。絶対に反対する。

CO2排出取引(ET)
地球規模の問題に、排出権の取引なんて馬鹿げている。開発途上国ではまだまだCO2出し放題なんだから、先進国の技術を投入して、大量に排出している開発途上国のCO2から抑制すべし。
開発途上国の言い分としては、先進国はいままでCO2を出しまくって成長してきたのに、成長過程の開発途上国に厳しい規制を課すのは不公平という思いもあるのだから、先進国の主導による地球規模で最も効果的な対策を講ずるべき。
その他
・ 領土問題や拉致問題などは、これらのアジェフェストが完全に実施されて、日本がもう少しまともな国にならなければ解決は望めない。このような国家的に重大な問題がないがしろにされて解決されないままという現実が今の日本という国柄だ。
・ 会計監査院を何十倍も強力にしたオープンな組織を作り、強力な捜査権と罰則規定を与え、血税の使い道を徹底的に調査する。
・ 幹線道路での駐車は厳罰とし、幹線道路や高速道路でのキープレフトを守らせ、横断歩道の青信号を短くするなど、ルールとマナーと運転技術の向上だけで、道路の交通容量はかなり大きくなり、新しい道路建設の必要性は大幅に抑制される。
・ 自動車教習所での学習内容の簡略化と免許取得費用の大幅な減額。また、実質的に安全運転に寄与するような講習内容に改善。
・ 最初から、AT車は両足(右アクセル、左ブレーキ)で運転するように指導する。
これにより、緊急時には素早くブレーキを踏むことができるしブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故も半減するだろう。
・ 漁業法の見直し。海は漁師だけのものではない。趣味の釣り人が自由に魚を釣れるようにする代わりに、釣った魚を全て漁協に安く売るか上納し、必要な人は漁協から購入するようにする。つまり、趣味の釣り人は、すべて漁師の下請けになる。
・ 痴漢の容疑をかけられただけで一年半も拘留された人がいるが、女性の尻を触ったかもしれないという推定無罪の被疑者に対して、あまりにも過酷な処遇ではある。罪と罰に関して、基本的な見直しが必要。
・ 中学生以上の学生の先生は、実社会での体験の豊富な人材から選ぶ。教育学科の新卒が何の社会経験も持たないまま先生になって何を教えるというのだろう?
・ その他まだまだ。

林 みのる