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子ウサギに捧げる「H2K2」 -社会評論-

子ウサギとは民主党の事だ。自民党を破って圧勝したのだから、いかに自民党が胡散臭いと思われていたか如実に解るが、かと言って、民主党が頼りないのは疑う余地も無い。
そこで子ウサギちゃんに、勝利のお祝いとして一つ標語をプレゼントしょう。それは「H2K2」だ。 器用さと小利口さを武器に技術立国として世界第二位の経済大国を構築してきた日本人が、現在、もっともないがしろにしてしまっているのが「知的資源」を育むという強い意志であり環境づくりだ。
ハイエナに騙され続けてきた我ら愚衆は、政官財の癒着構造によって乱造される公共事業と称する日本列島のコンクリート化によって、現状、日本の株式会社の 5社に1社は土建屋関係と言われるような土建屋国家となり、常にコンクリート化を続けないと潰れる会社が続出するという異常な事態となっているが、これ以上、いくら橋や道路やダムや空港や港や箱ものを乱立させても、コンクリート化が進むだけで、日本の科学や技術や知的水準は何も向上していかない。

戦後の焼け野原に木と紙のうさぎ小屋を建てて貧困と闘っていた時代は、対欧米の生産拠点として驚異的な復活を成し遂げたが、これは生活レベルが低くて生産コストが安かった時代の話で、これではもう今の贅沢な生活レベルは支えられないし、現在は他の東南アジアの国々がその役目を担っている。
その一歩先を行っているはずの日本が次に為すべきことは、その世界の生産工場に先進的な科学と技術を供給することであるはずなのに、その日本は、ひたすらコンクリート化に邁進するだけで知的資源の育成をないがしろにしてきた結果、我々の信じる技術立国は、まるでコンクリートで出来た砂上の楼閣のようで国民が信じるほどには堅牢ではなく足元は非常に脆い。

何よりも、ほとんどの日本人に、日本が技術立国であるという自覚が欠けている。私に言わせれば、一体、これから何で食っていくつもりなんだ!!という気持ちだが、「前例がない」が錦の御旗になるような国で新たなる先進的な技術の開発など、彼岸の向こうほど遥か遠い話なんだろう。
本田宗一郎さんが自動車の生産を始めようと決意した時の最大の障害は日本政府の妨害だった。日本製のOS「TORON」もアメリカの横やりに屈した日本政府の弱腰で腰砕けになりMicrosoftの寡占状態を許してしまった。日本の科学技術発展史の節目節目に、アメリカの走狗のごとく日本の技術や産業をないがしろにする我が国家の信じがたい愚かさが読み取れ、まるで売国奴の集団のような官僚たちの思考回路に愕然としたものだ。
もともと、日本の自動車レースの世界が、技術や産業を度外視した、見世物的というか興行的というか、ちょっと違う方向に流されつつある頃だったから、何故だろうと調べ始めたら、国家そのものが技術や科学をないがしろにしてはばからない土建屋のための国家だったから納得するしかなかった。
それまでは、外国に行っても日本人であることに「誇り」を持っていたタイプだった私も、「埃」に変わってしまうくらいのショックを受けたものだ。

今からでも遅くはない。日本という国家のアイデンティティとして、発明、発見、研究、開発が最重要テーマであることを強く認識することだ。そう、H2K2と は発明、発見、研究、開発の頭文字だが、無駄な道路を作るより、オリンピックを招致するより、農業水産に金をばらまくより、MicrosoftのOSや Intelを駆逐してしまうほどの優秀なパソコンの開発や、10倍くらいの効率を誇る太陽光発電装置や、高性能な電気自動車用バッテリーなどの開発にどん どんとお金をつぎ込み、本当の意味での技術立国を確立することを優先すべきだ。
私は反対だが、100歩譲って、贅沢三昧にエネルギーを消費するために原子力発電に頼らざるを得ないとしても、それによって生じる高レベル放射性廃棄物を、地層処理と称してコンクリートで固めて埋めてしまうような杜撰な後始末がまかり通っているだけでも驚くが、この、原子力発電環境整備機構(NUMO)は盛んにTVCMで、「みんなの宿題だよ」と子供たちにこの後始末を押し付けているのだから信じられない。放射能の半減期は400万年と言われているのだから、多大な国家予算を投じてでも 優先的に解決すべき問題だろう!

要するに、科学者や技術者よりも利権構造に巻き込みやすい土建屋を集金システムとして活用している卑しい政治家と業者のなれ合いが、H2K2を忘れて日本のコンクリート化にまい進させた原動力となっているのだから品のない話だ。
人類に貢献できるような発明、発見を成し遂げた人が時代のヒーローになれるような国としての環境が必要だ。ついでに、反重力装置とか光子ロケットとかタイムマシンとか物質転送機とか永久機関とか癌とAIDSの特効薬なんかも作ってしまおう。この道以外に、日本がアメリカを超える手だてはない。